2026/09/27

業務自動化の実例1

社員15人ほどの私たちの事務で、2026年5月から今の形で使っています。郵便で届く請求書や通知を、人はスキャンするだけで、その先は仕組みが文字を読み取り、SharePoint に整理して、担当者に知らせます。支払いや返信、手続きを決めるのは、元の書類を見た人です。

誰が、何をしているか

  1. 人
    1届いた書類を、複合機でスキャンする
  2. 自動
    2スキャンしたファイルを、自社のサーバに集める
  3. AI
    3文字を読み取り、差出人・種類・期限・金額などを取り出す
  4. 自動
    4SharePoint の一覧に列つきで登録し、担当者にメールで知らせる
  5. 人
    5元の書類の画像を見て、支払い・返信・手続きを決める
2〜4 は、10分ごとに自動で動きます

AI が読み違えても、そのまま支払いや返信にはつながらない順番にしています。決めるのは、いつも最後の人です。

SharePoint の書類一覧。名前・カテゴリ・書類種別・差出人・対応期限・対応状況の列があり、7件の書類が対応期限の近い順に並び、対応状況はすべて未対応
SharePoint の書類一覧 AI が取り出した差出人・書類の種類・対応期限が列に入ります。「未対応」だけに絞ったり、期限の近い順に並べたりできます。架空の書類で動かした画面です(2026年9月撮影)。Used with permission from Microsoft.

書類が届いてから、支払いや返信を決めるまで

1〜3人がスキャンした書類を、仕組みが集めて読み取ります

届いた書類は、複合機でスキャンします。PDF は仕組みが10分ごとに自社のサーバに集め、国立国会図書館が2026年2月に公開した NDLOCR-Lite で文字を読み取ります。AI は本文から差出人・種類・期限・金額などを取り出し、書かれていない地名や組織名は推測で補わないように指示しています。

4・5SharePoint とメールで知らせ、人が元の書類を見て決めます

PDF は SharePoint に保存し、取り出した項目を一覧の列に書き込みます。担当者(私たちの場合は代表)には、書類1件ごとに、要点と元の書類を開くリンクが入ったメールが届きます。AI は、期限の日を「0日」とする日付や、令和の年を西暦と取り違えた日付を返したことがあります。一覧の「未対応」も AI が付けた印なので、支払い・返信・手続きは、人が元の書類を見て決めます。

つまずいたこと・直したこと

  • 2026年7月10日〜9月18日 新しく届いた書類を、1件も登録していませんでした書類を選ぶ条件が「img で始まる名前」しか通さず、ファイル名が日時の形に変わると、すべて外れました。毎回「処理する書類はありません」と正常に終わり、約2か月気づきませんでした。9月18日に条件を直し、外れた270件を処理し直しました。件数で見張る仕組みは、これから足します。

運用メモ

使いはじめ
2026年5月(今の形)
動く間隔
10分ごと(スキャンのあと、2〜4が自動で動く)
人が決めること
元の書類を見て、支払い・返信・手続きをどうするか
かかる費用
分類の AI は1件あたり1円未満(2026年9月の料金表での見積もり)。文字の読み取りは自社のサーバで動かし、ページ数による料金はかかりません
取り出す項目
差出人・宛先・書類の種類・日付・期限・金額・分類・対応の状況など
つまずき
2026年7月10日から9月18日までの約2か月、新しく届いた書類を1件も登録していませんでした
直したこと
条件を直し、止まっていた間の書類をまとめて処理し直しました。処理した件数で見張る仕組みは、これから足します

使っているもの:複合機、SharePoint・Outlook(Microsoft 365)、文字の読み取り(NDLOCR-Lite)、AI による分類。以前の構成は、2026年4月の記事で紹介しています。

任せること/人が決めること

任せること人が決めること
ファイルを集め、文字を読み取る何をスキャンするか。紙の原本の保管
差出人・期限・金額などを取り出す取り出した項目が合っているか
SharePoint に登録し、メールで知らせる誰が知らせを受け、誰が対応するか
一覧に「未対応」として載せる支払うか、返信するか、手続きをするか

始める前に決めておくこと

この仕組みは、私たちが自分たちで作り、直しながら使っています。同じ形の仕組みを御社で作るときは、次の点を決めます。決まっていなくても構いません。相談の中で一緒に確かめます。

  • 書類の種類と量:どんな書類が、どれくらい届くか。
  • スキャンと対応の担当:誰がスキャンし、誰が知らせを受けて対応するか。
  • 一覧の項目:一覧にどの項目があれば探しやすいか。
  • AI に渡す範囲:AI へ送ってよい情報はどこまでか。
  • 読み違いと漏れの確かめ方:読み違いや処理の漏れを、誰がどう確かめるか。
  • 紙の原本の保管:紙の原本をどこで、どう保管するか。請求書・領収書などの紙を捨てるなら、電子帳簿保存法のスキャナ保存の要件を、顧問の税理士さんなどの専門家に確かめます。

郵便で紙の書類が届くことは変わらなくても、届いた後の整理と知らせは、仕組みにできます。

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